Research
【論文紹介】Revisiting Regularized Policy Optimization for Stable and Efficient Reinforcement Learning in Two-Player GamesNew!!

AlphaGo をはじめとするゲームAIは、囲碁や将棋などで人間を上回る強さを実現してきました。ゲームAIの研究で培われた技術は、数学の問題を解いたり、新しいアルゴリズムを発見したりするなど、ゲームの枠を超えた課題にも活用されています。こうしたゲームAIの強さを支える仕組みの一つが、候補となる手の先で起こり得る展開を何度もシミュレーションし、有望な手を探す「先読み探索」です。しかし、この仕組みを用いて学習を行うには大規模な計算資源が必要なため、強いゲームAIを再現したり、新しいゲームに応用したりすることは、限られた研究組織にしかできませんでした。

そこで本研究では、学習中に先読み探索を行わず、AIが自分自身と対戦して得た経験から良い手を直接学ぶゲームAI「KLENT」を提案しました。5種類のボードゲームを用いた実験では、先読み探索を使う既存手法に匹敵する強さに、より少ない計算で到達し、最大4倍の学習効率を達成しました。これにより、より多くの研究者や開発者がゲームAIを試し、新しいゲームやより一般的な意思決定問題に応用できる可能性が広がります。本研究は、機械学習分野のトップカンファレンスであるInternational Conference on Machine Learning(ICML 2026)に採択されました。

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オープンな医療用大規模日本語視覚言語モデルの開発

当研究室では、日本語に特化したオープンな医療用大規模視覚言語モデルを開発し、今年3月にプレスリリースを出しました。発表されたモデルは、画像とテキストを扱うことができる「マルチモーダル」なモデルで、日本語の医療用データに特化しており、142億パラメータを有します。同月に開催された言語処理学会第32回年次大会(NLP2026)では、安道健一郎客員研究員、黒瀬優介特任講師を含む研究グループから 「医療用大規模日本語視覚言語モデルの構築」のタイトルで発表を行い、優秀賞を受賞しました。

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【論文紹介】SceneProp: Combining Neural Network and Markov Random Field for Scene-Graph Grounding

視覚グラウンディング(visual grounding)は、文章などの特定物体を指し示す記述から画像内の対象物を特定するタスクであり、ロボット操作における指示文の理解や、対象物の特定が不可欠な画像に対する質問応答など、さまざまな応用において重要な役割を果たします。 当研究室から発表された論文 "SceneProp: Combining Neural Network and Markov Random Field for Scene-Graph Grounding" では、文章の代わりに物体間の関係性を構造化した形式を用いることにより、GPT-4o など既存の手法では不可能だった複雑なグラウンディングを可能にしました。 本論文は、主要なコンピュータビジョンの国際学会のひとつであるWinter Conference on Applications of Computer Vision (WACV) 2026にて発表されました。

この成果により、ロボットにおいて指示文へ追従する精度の向上や、視覚言語モデルと組み合わせることにより、さらなる画像に対する質問応答の性能向上が期待できます。

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【論文紹介】Dr. RAW: Towards General High-Level Vision from RAW with Efficient Task Conditioning

標準的なコンピュータビジョンではRGB画像が一般的に使用されていますが、RAWデータを直接扱う方法も注目を集めています。2025年12月にアメリカのサンディエゴで開催された機械学習のトップカンファレンス Neural Information Processing Systems (NeurIPS) 2025で、私たちは、カメラの RAW データから物体検出やセグメンテーションなどの高度なビジョンタスクを効率的に実行するための統合フレームワーク「Dr. RAW」についての論文 "Dr. RAW: Towards General High-Level Vision from RAW with Efficient Task Conditioning" を発表しました。

このフレームワークにより、事前学習済みモデルにセンサーの事前情報を賢く組み込むことで、堅牢で汎用的な視覚システムを構築することが可能になります。

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【論文紹介】Improved 3D Scene Stylization via Text-Guided Generative Image Editing with Region-Based Control

3D空間の再構築、および領域ごとの緻密な制御を伴う編集技術は、エンターテインメント領域の3Dアセットやデジタルツインの効率的な編集・更新を可能にする基盤となります。当研究室から発表された論文 "Improved 3D Scene Stylization via Text-Guided Generative Image Editing with Region-Based Control" では、テキスト指示に基づいて、領域ベースの制御を可能にした3D Gaussian Splatting [1] シーン向けの改善された3Dスタイル転写手法を提案しています。本研究は主要なグラフィックスの国際学会のひとつであるPacific Graphics 2025にて発表されました。

この成果により、映画やゲーム制作におけるアセット制作の効率化が図ら
れるだけでなく、実社会に即したデジタルツインの高度な構築・編集が可能になります。これにより、都市計画における景観シミュレーションや、embodied AIの学習に不可欠な3D環境の整備といった、幅広い産業応用への貢献が期待されます。

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【論文紹介】DEJIMA: 大規模な日本語画像キャプション・視覚的質問応答データセットの構築

近年、画像の内容を言葉で説明したり、画像について質問に答えたりする「Vision-and-Language(V&L)」と呼ばれるAI技術が急速に発展しています。こうした技術の性能は、学習に使える画像とテキストのペアのデータセットの質や量に大きく左右されます。ところが、日本語で使える大規模なデータセットはこれまでほとんど存在しませんでした。

今年5月に開催される国際会議 LREC 2026 にて、当研究室から、日本語の画像キャプション(画像の内容を文章で説明したもの)と VQA(Visual Question Answering:画像についての質問に回答するタスク)に使える大規模データセット「DEJIMA」を提案する論文を発表予定です。DEJIMA は、約388万組の画像とテキストのペアを含み、従来の日本語データセットの20倍以上の規模を達成しています。

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【論文紹介】A Theory of Learning Unified Model via Knowledge Integration from Label Space Varying Domains

「ドメイン適応(Domain Adaptation)」は、十分な教師情報がない目標のドメインでうまく働くモデルを、十分な教師ラベルを持つ別のドメインの情報を活用して作成する手法です。この手法は目覚ましい成功を収めていますが、既存のドメイン適応システムでは、複数のソースドメインから学習した知識を統合することを目指す場合に、問題設定を簡略する必要があり、現実問題にうまく対応できませんでした。2025年6月にアメリカのナッシュビル、Music City Center にて開催された国際会議 The IEEE / CVF Computer Vision and Pattern Recognition Conference (CVPR) 2025 では、実世界でしばしば出現する「ソースフリー」のシナリオに対応するためのアルゴリズムを提案する論文 “A Theory of Learning Unified Model via Knowledge Integration from Label Space Varying Domains” を発表しました。この成果により、将来的には、エッジデバイスなどで蓄積された知識を統合し、より性能の高いモデルを効率的に構築出来る事が期待されます。

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【論文紹介】Intend to Move: A Multimodal Dataset for Intention-Aware Human Motion Understanding

Embodied AIや人間行動理解の分野において、人間がどのように動き、周囲とどう関わるかを理解することは、AIシステムが人間と共生し、協調するために不可欠な技術です。2025年12月にアメリカのサンディエゴで開催された機械学習のトップカンファレンス Neural Information Processing Systems (NeurIPS) 2025では、人間の動作の背後にある「意図」に着目した大規模マルチモーダルデータセット「Intend to Move (I2M)」を提案する論文 "Intend to Move: A Multimodal Dataset for Intention-Aware Human Motion Understanding" を発表しました。

この成果により、AIは人間の動作を単なる関節の動きとしてだけでなく、「なぜそう動くのか」という意図と紐づけて学習することが可能になります。将来的には、人間の意図を汲み取って先回りして手助けするロボットや、高度な対人インタラクションを行うAIの実現に役立つ可能性があります。

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【論文紹介】FUSE: A Hybrid Speech Enhancement System for Real-World Noisy Environments

騒音の大きな場所で、電話に出ようとしているところを想像してみてください。
そのような環境でも、通話の相手は、あなたが何を喋っているか理解してくれるでしょう。しかし、録音して後から聞き返してみると、とても酷い音になっているはずです。背景の音がうるさいですし、聞き取りにくい単語があり、音が変に歪んでいるかもしれません。“Speech Enhancement (音声強調)” の目的は、そのような音を、コンピュータによって綺麗にする (clean up) ことです。

私たちは、様々な言語や、多様なノイズに対応し、さらに、低品質な録音にも対応できる「ユニバーサル」な音声強調を行うことを目標に、「FUSE」というシステムを開発しました。今年6月にオランダのロッテルダムで開催された国際会議 Interspeech 2025 の URGENT 2025 Challenge に参加したこのシステムは、総合で3位となり、リスニング品質でトップレベルの成績を納めました。

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【論文紹介】Luminance-GS: Adapting 3D Gaussian Splatting to Challenging Lighting Conditions with View-Adaptive Curve Adjustment

「3D Gaussian Splatting (3DGS)」は、3Dシーンの再構成や、新しい視点からの画像合成に活用される技術です。照明の条件が良い場合には優れた性能を発揮しますが、照明条件が悪い場合には脆弱であり、現実世界においてはそのような「過酷な照明条件」が多くあります。今年6月にアメリカのナッシュビル、Music City Center にて開催された国際会議 The IEEE / CVF Computer Vision and Pattern Recognition Conference (CVPR) 2025 では、3DGSの高い効率性を保ちながら、様々な過酷な照明条件に対してロバストな手法「Luminance-GS」を提案する論文 "Luminance-GS: Adapting 3D Gaussian Splatting to Challenging Lighting Conditions with View-Adaptive Curve Adjustment" を発表しました。この成果により、3DGS の利点を活かしたまま、過酷な照明条件に対してロバストな新しい視点合成が可能にになります。将来的には、3DGSをより実世界に近い応用分野へと展開することが可能性となります。

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