プリンストン大学 交換留学報告 第二回
プリンストン大学Vision & Learning Labへの交換留学報告の第二回は、博士1年の馬上から研究室での生活や、キャンパスとその周辺の様子についてお届けします。
研究室の学生
Jia Deng研究室のメンバーは約20名で、ほとんどが博士課程の学生でした。アメリカでは修士・博士が一貫のプログラムで、博士1年が日本の修士1年に相当し、博士5年目で卒業する形式が一般的です。学士学生には博士学生がメンターとして付き、研究を深く支援しています。博士学生が、自分が指導する学士学生を”my undergraduate”と親しみを込めて呼んでいたのが印象的でした。
研究室の環境
研究室では、各学生が固定席を持ち、フリーのお菓子やアイスが用意されるなど、リラックスできる環境が整えられていました。メンバーの中にはオンラインで研究を続ける人もいれば、毎日研究室に足を運ぶ人もおり、特に朝から夕方まで規則正しく活動する人が多かったです。私もできるだけ毎日研究室に通うようにしていました。
ミーティング
Jia Deng研究室では、毎週一度、全体ミーティングが開かれます。このミーティングには、普段はあまり学生と交流することのないJia Deng先生もオフラインで参加し、各自の研究進捗が発表されます。発表の後には白熱した質疑応答が行われ、最終的にJia Deng先生から研究の方向性やプレゼン方法などに関するアドバイスが提供されます。ミーティングは昼食を取りながらのカジュアルな雰囲気でしたが、内容は非常に充実していました。研究の発表以外に、持ち回りで論文の紹介も行われました。驚くべきことに、最新の研究のみならず2000年代などの深層学習以前の論文も紹介されていました。Jia Deng先生の、伝統的な知識も重要だという考えから行われているそうです。
Jia Deng研究室では、個々の研究に加えて学生同士での共同研究も盛んで、たとえば、CVPR2023やCVPR2024に投稿されたInfinigenは研究室全体が関わる大規模プロジェクトでした。全体ミーティングの後に、Jia Deng先生も参加する各プロジェクトのミーティングが行われます。協力して研究を進める文化が根付いていると感じました。
研究室間の交流
Jia Deng研究室のあるFriend Centerには他のComputer Science研究室も入っており、研究室を越えた学生同士の交流がありました。たとえば、毎週SpikeBallというバレーボールに似たスポーツがComputer Scienceの学生たちによって行われ、研究に励むだけでなく、こういった交流も積極的に行われていました。
キャンパスやその周辺施設
プリンストン大学にはDillon Gymというジムがあり、東京大学の駒場キャンパスのものより3-4倍はありそうな広さでした。朝から夜まで利用可能で、利用者には健康維持を目的とする学生も多く、駒場キャンパスのジムとは異なる印象を受けました。ジム以外にも、陸上競技場やサッカー場など、多くの運動施設がありました。
キャンパスの建物は数百年前からあるものも多いようで、お城のようなものもありました。
キャンパスが面しているNassau Streetにはたくさんのショップやレストランがありました。中には、日本食店や、日本の食料を専門に売っているお店もあり、日本の味を楽しむこともできました。しかし、500mlの緑茶が500円ほどするなど、常用するのには厳しい値段設定でした。
今回が初めての長期海外滞在となりましたが、Jia Deng研究室の皆さんの温かいサポートのおかげで、とても充実した研究活動を行うことができました。特にVision系の研究を今回の留学から本格的に始めたため、頻繁にミーティングを開いていただくなど、多くの助けをいただきました。この場を借りて心より感謝申し上げます。